群馬県太田市エリアを拠点に、カーディテイリングとプロテクションフィルム(PPF)施工を行う58Detailing(ゴーハチディテイリング)です。
今回は、国産スポーツクーペの最高峰であるレクサスRC F、その中でも特別な「Final Edition」の施工事例をご紹介します。
ご依頼いただいたお客様は都内にお住まいのオーナー様です。
遠方ではありますがご用命いただくことになりました。
施工内容は、ボディ全体のフルプロテクションフィルムに加え、ホイール、キャリパー、窓ガラス、内装コーティングを含むフルパッケージです。
東京都品川区のディーラー様で新車をお預かりし、当店で施工を行った後、東京都大田区のオーナー様のご自宅へご納車するという流れで対応させていただきました。
なぜ、都内のお客様があえて群馬の当店を選んでくださったのか。
そして、なぜ「マット」ではなく「グロス(透明)」のフィルムを選ばれたのか。
RC Fという車両の特性や、施工における技術的なポイント、そして当店が運用している「箱付き積載車」の重要性について、詳しく解説していきます。
品川から群馬・太田へ。公道を走らせずに運ぶ理由
今回のご入庫は、既存のお客様からのご紹介がきっかけでした。
車両は納車前の新車です。
オーナー様のご要望は「走行距離を極力伸ばさず、飛び石や汚れのリスクをゼロにして施工してほしい」というものでした。
そこで活躍するのが、当店が保有する「箱付き(フルフラット・フルカバード)積載車」です。
通常、品川区から群馬県の太田エリアまで自走で移動する場合、東北道を利用することになります。
高速道路は飛び石の温床です。納車されたばかりの無傷の塗装に、施工前の段階で傷が入ってしまうリスクは、プロとして絶対に避けなければなりません。
また、一般的なオープンタイプの積載車の場合、移動中に雨が降れば車は汚れますし、排気ガスや油分を含んだ路面の汚れも付着します。
何より、Final Editionのような希少車は高速道路上でも非常に目立つため、ナンバーが付いているとはいえ、むやみに衆目に晒したくないというオーナー様のお気持ちもあります。
当店の積載車は、荷台部分が完全に箱で覆われています。
品川のディーラー様のデリバリールームで車両の状態を入念にチェックした後、そのまま箱の中へ格納します。
扉を閉めれば、物理的な飛来物を完全に遮断できます。
群馬の施工スタジオに到着するまで、タイヤがアスファルトに触れることはありませんし、雨風に打たれることもありません。
「汚れない」「傷つかない」という当たり前の状態を、物理的に保証して移動できること。
これが、遠方のお客様からも選んでいただける大きな理由の一つです。
純正色の美学。あえて「マット化」しなかった理由
今回入庫したRC F Final Editionのボディカラーは、チタニウムカーバイドグレーと思われる、非常に硬質感のあるグレーです。 金属の塊から削り出したような重厚感と、光が当たった時の鋭いハイライトが特徴的な、レクサスこだわりの塗装です。
プロテクションフィルムの施工において、ここ数年のトレンドとして「マット(つや消し)フィルム」を貼るスタイルが定着しています。
元の塗装がグロス(艶あり)であっても、サテンのような質感に変えることができ、手軽にイメージチェンジができるため人気があります。
実際、RC Fの攻撃的なデザインにはマットの質感もよく似合います。
しかし、今回のオーナー様との打ち合わせで決まったのは、「グロス(透明・光沢)プロテクションフィルム」でした。
オーナー様のお考えは非常に明確でした。 「メーカーがこのFinal Editionのために用意した、この限定色の色味と艶が好きだ」 「だから、見た目を変えることなく、このままの状態で保存したい」 「色を変えたとか、カスタムをしたと誤解されたくない。
あくまで純正として乗りたい」
これには私たちも強く共感しました。
プロテクションフィルムの本質は「保護」です。
色を変えて楽しむのも一つの正解ですが、オリジナル塗装の質感や発色を100パーセント活かしたまま、物理的な防御力だけを付与する。これこそが、PPF本来の役割とも言えます。
また、オーナー様は実用面での「手入れのしやすさ」も重視されていました。
マットフィルムは表面に微細な凹凸があるため、汚れが入り込むと除去に少しコツが必要な場合があります。
一方、グロスフィルムの表面は平滑そのものです。
汚れが付きにくく、洗車時の拭き取りも非常にスムーズです。
美観の維持と、日々のメンテナンス性。この両立を考えた結果、グロスのフルプロテクションという選択に至りました。
データを使わない。「完全バルク施工」への挑戦
ここからは実際の施工プロセスについてお話しします。
プロテクションフィルムの施工方法には、大きく分けて二つの手法があります。
一つは、メーカーが提供する「プレカットデータ」を使用して、機械でフィルムをパーツの形に切り出してから貼る方法。
もう一つは、大きなフィルムをそのままボディに貼り付け、現場で職人がカッターを入れて切り出す「バルク施工(ハンドカット)」です。
当店が採用しているのは、後者の「完全バルク施工」です。
今回はデータカットを一切使用していません。
なぜ、手間もリスクもかかるハンドカットにこだわるのか。
それは、データカットではどうしても埋められない「隙間」が生じるからです。
プレカットデータは、施工のしやすさを考慮して、パネルの端よりも数ミリ内側でカットされていることがほとんどです。
そのため、仕上がった時にフィルムの境界線が見えてしまい、そこに汚れが溜まって「貼ってある感」が出てしまいます。
RC F Final Editionのような特別な車において、その数ミリの妥協は許されません。 私たちは、パーツよりもひと回り大きく切り出したフィルムを貼り込み、エッジ(角)の裏側まで深く巻き込みます。
そして、不要な部分を切り取る際は、ボディ上でカッターを使います。
ここで求められるのが「ハーフカット」という技術です。
フィルムの厚み(約150〜200ミクロン)に対して、半分だけ刃を入れ、塗装面には絶対に刃を当てずにフィルムだけを切り取る。
これは一朝一夕で身につく技術ではありませんが、これによって「どこからどこまで貼っているのか分からない」シームレスな仕上がりが実現します。
長期的な定着のために。バンパーへの「スリット処理」
RC Fの施工において、最も形状が複雑なのがフロントバンパーです。
スピンドルグリル、空力パーツ、ブレーキダクトなどが入り組み、フィルムにとって非常に負荷のかかる3次元曲面の連続となっています。
当店では基本的に「一枚貼り」を目指し、可能な限りつなぎ目のない美しい仕上がりを追求しています。
しかし、RC Fのバンパーには、フィルムの伸縮性能の限界に近い、非常にR(アール・曲率)のきつい箇所がいくつか存在します。
技術的に、熱を加えてフィルムを大きく伸ばし、無理やり一枚で貼り切ることは可能です。
施工直後は綺麗に見えます。
しかし、過度に伸ばされたフィルムには、元の形に戻ろうとする強い力(残留応力)が働き続けます。
その力が接着力を上回ったとき、フィルムは浮き上がってきます。
これが、施工後数ヶ月経ってから起きる「浮き」や「剥がれ」の原因です。
お客様に提供すべきは、納車日だけ綺麗な状態ではなく、長く安心して維持できる状態です。
そのため、当店ではRが極端にきつく、将来的に浮くリスクが高いと判断した箇所には、適切に「スリット(切れ込み)」を入れています。
いわゆる「逃げ」を作る処理です。
スリットを入れることでフィルムにかかる過剰なテンションを解放し、無理なくボディに密着させることができます。
もちろん、スリットの位置はデザインのラインに合わせ、目立たないように処理を行います。
「すべて一枚で貼る」ことに固執して耐久性を犠牲にするのではなく、物理的な特性を見極め、剥がれの原因を作らない工法を選択する。
これがプロショップとしての判断です。
見えない部分へのこだわり
バンパー以外のパネル、ボンネットやドア、フェンダーなどの施工においても、バルク施工のメリットを最大限に活かします。
すべてのエッジにおいて、フィルムをパネルの裏側へ巻き込む「ラップ処理」を行いました。
ドアを開けた時、ボンネットを開けた時、裏側を覗き込まないとフィルムの端が見つからないレベルまで巻き込みます。
こうすることで、洗車時にスポンジやクロスがフィルムの端に引っかかるリスクがなくなり、剥がれ防止にもつながります。
また、年月が経ってもフィルムの断面に汚れが溜まることがないため、いつまでも綺麗なラインを保てます。
「純正の見た目を壊したくない」というオーナー様のご要望に対し、私たちが返せる最高の答えが、この「貼っている感のなさ」です。
PPF専用コーティング「GTECHNIQ HALO」の投入
フィルム施工が完了した後、その保護性能をさらに盤石にするためにコーティングを施します。
使用したのは、イギリスのGTECHNIQ(ジーテクニック)社が開発した「HALO」です。
これは、プロテクションフィルムやラッピングフィルム専用に作られたコーティング剤です。
通常のボディ用ガラスコーティングをフィルムの上に塗ることも物理的には可能ですが、あまり推奨はできません。
なぜなら、プロテクションフィルムは柔軟性のある素材だからです。
硬い被膜を作るガラスコーティングは、フィルムの伸縮に追従できず、微細なクラック(ひび割れ)を起こす可能性があります。
HALOは、フィルムの表面と化学結合し、柔軟性のある被膜を形成します。
これにより、フィルムが持つ自己修復機能(セルフヒーリング機能・熱で小傷が消える機能)を阻害することなく、表面の保護が可能になります。
HALOを施工する最大のメリットは「防汚性」です。
ポリウレタンフィルムは素材の性質上、微細な気孔(穴)があり、そこに排気ガスや油汚れが入り込むと、徐々に黄ばんだり黒ずんだりすることがあります。
HALOはこの気孔を埋め、表面の表面張力を下げることで、汚れの固着を劇的に防ぎます。
また、撥水性能も非常に高く、雨水が玉となって転がり落ちるようになります。
RC Fのグロスフィルムの上にHALOを施工したことで、濡れたような深い艶がさらに強調され、まさに「テロテロ」と表現したくなるような質感に仕上がりました。
足元から車内まで、隙のないトータルケア
ボディの保護だけで終わりではありません。
車全体の美観を維持するため、細部まで手を入れます。
ホイール&キャリパーコーティング RC Fは強力なブレーキシステムを搭載しているため、ブレーキダストの量も相当なものです。
複雑な形状の純正ホイールと、存在感のあるオレンジ色のキャリパー。
これらがダストで真っ黒になってしまう前に、耐熱性の高い専用コーティングを施工しました。
これにより、ダストが焼き付くのを防ぎ、通常の洗車で簡単に汚れを落とせるようになります。
ウインドウ撥水全面施工 フロントガラスだけでなく、サイド、リアを含む全面に撥水コーティングを施しました。
雨天時の視界確保はもちろんですが、ガラス表面のウロコ(イオンデポジット)の付着を遅らせる効果もあります。
樹脂パーツコーティング フロントのスピンドルグリル、リアバンパー下部のディフューザー、ワイパー周りのカウルなど、未塗装の樹脂パーツも専用のコーティング剤で保護しました。
樹脂パーツは紫外線で劣化し、白っぽくなりやすい箇所です。
新車のうちに黒々とした艶をロックしておくことで、車全体が引き締まって見えます。
インテリアコーティング ドアを開けた瞬間に広がる、レクサスの上質なインテリア空間。
レザーシート、ステアリング、ドアトリム、センターコンソールなど、身体が触れる箇所を重点的にコーティングしました。
特にステッチやレザーは、デニムの色移りや革ベルトの色移りが心配されます。
インテリアコーティングは、繊維の一本一本に保護膜を作ることで、汚れが染み込むのを防ぎます。
汚れが付いても水拭きでサッと落とせるようになるため、精神的な安心感が違います。
最後に
プロテクションフィルムは決して安価な施工ではありません。
しかし、限定車や希少車、そしてオーナー様にとって思い入れのある一台を守る手段として、これ以上のものはありません。
傷を気にせず走れる自由、洗車のたびに感じる美しさ、そして将来的なリセールバリューの維持。
その価値は価格以上にあると考えます。
58Detailingは群馬県太田市エリアのショップですが、今回のように東京都内や近隣県からのご依頼も数多くいただいております。
「自分の車も箱付き積載車で運んでほしい」 「見栄えだけでなく、長期的な維持まで考えた施工をしてほしい」 「純正のスタイルを崩さずに綺麗に維持したい」
そのようにお考えの方は、距離を気にせず、まずは一度ご相談ください。 お客様の大切な愛車に合わせた最適なプランをご提案させていただきます。
プロテクションフィルムの詳細はこちら

R35 GT-R T-spec ミレニアムジェイドにTERMINAXグロスフルプロテクションフィルム施工|GTECHNIQ HALO Prestigeコース
